「選ばせない」瞑想アプリ『森呼吸』
AI時代になって、できることが一気に増えました。調べ物も、書くことも、作ることも、驚くほど速くなった。
でも同時に、入ってくる情報も、こなせてしまうタスクも、爆発的に増えました。区切りがなくなって、気づけば手も頭も、ずっと動かし続けている。夜中まで「あと少しだけ」を繰り返している自分がいる。
止まり方が、分からなくなっていました。
だから、自分のために作りました。森呼吸(しんこきゅう)——3分間ただ深呼吸するだけのiOSアプリです。
どんなアプリか
開いて「はじめる」を押すと、全国の森や滝の写真が画面いっぱいに広がって、川のせせらぎや鳥の声が流れてきます。円がふくらんだら鼻から吸って、しぼんだら口から吐く。4秒吸って、8秒吐く。それを3分くりかえすと、そっと鐘が鳴って終わります。
それだけのアプリです。
あえて「何もできない」アプリにした
止まりたくて瞑想アプリを開くと、コース選択、BGM選択、会員登録、通知の設定……。落ち着きたいだけなのに、また「選ぶ・決める」が始まる。それって、情報過多の延長でしかないなと思ったんです。
だから、作るうえで3つのことを決めました。
応急処置であること。止まれなくなった時に、すぐ効く。難しいことは考えなくていい。
選択肢をゼロにすること。コースもBGMも選ばせない。景色はアプリが選ぶ。もう、これ以上なにも決めたくない夜のために。
何も要求しないこと。アカウントも、通知も、目標設定もない。続けられなくても、誰にも責められない。
世のアプリは、ログイン・通知・ストリークで「もっと使わせる」方向に進化しています。森呼吸は、その逆を行きました。使わせないための設計です。
こだわったところ
- 通信しない・記録しない。あなたの情報は何ひとつ集めないし、インターネットにもつなぎません。残るのは「今週ひらいた回数」だけ。
- 日本の実在の景勝地を中心に、綺麗な景色が切り替わる。常清滝、上高地、おしらじの滝、奈良公園……。30秒ごとに静かに移ろいます。
- 終わりは「吐き切ったところ」。3分きっかりでぶつ切りにせず、最後のひと呼吸を吐き終えてから鐘が鳴ります。途中で断ち切られない。

