このnoteは、「スモールビジネスって何?」という超初心者の方にも、
スモールビジネスを始めてもう長いけれど最近マルチタスクになっているから今一度原点に立ち返りたいという方にもお勧めできます。
超絶鬼才・宮崎駿監督は、キキの行動に、1980年代の当時から現代にも通ずるスモールビジネス:個人での仕事の仕方→個人での稼ぎ方を映しています。
魔女の宅◯便を見たことのある方なら誰でも、楽しくお金を稼ぐ方法を学ぶことができるnoteはここでしか読めません。ぜひ、お楽しみください。
ジブリ:魔女の宅◯便から学ぶスモールビジネスの始め方
はじめに:なぜ『魔女の宅急便』がスモールビジネスの教科書になるのか?
ほうきにまたがり、慣れない街へたった一人で降り立つ13歳の魔女、キキ。
多くの人が一度は見たことのある『魔女の宅急便』は、少女の成長物語であると同時に、これから自分の力で何かを始めようとするスモールビジネスの起業家にとって、最高の教科書だと言えます。
特別な才能(魔法)を持っていても、それをどうビジネスにし、人々に受け入れられ、自分自身が成長していくか。このプロセスには、スモールビジネスを成功に導くための普遍的なヒントが散りばめられています。
自分の「好き」や「得意」をどう仕事にするか?
お客様との信頼関係はどうやって築く?
突然やってくるスランプやモチベーションの低下をどう乗り越える?
このnoteでは、キキの行動と心の変化を追いながら、スモールビジネスを始めるための具体的なステップと、事業を継続していくための心構えを解説していきます。
読み終える頃には、あなたも自分の「魔法」を見つけ、コリコの街でキキがそうしたように、自信を持ってビジネスの第一歩を踏み出せるはずです。
第1章:ビジネスの種を見つける〜自分の「好き」と「得意」を掛け合わせる〜
ビジネスを始める第一歩は、「何をやるか」を決めること。キキの物語は、そのヒントを私たちに教えてくれます。
キキの「魔法」=あなたの「好き」と「得意」
魔女のキキが使えた魔法は「ほうきで飛ぶこと」だけ。
他の魔法は苦手でした。しかし、彼女はそのたった一つの得意なことを活かし、「宅急便」というビジネスを思いつきます。
これは、スモールビジネスの基本原則です。誰もが知る大企業と同じ土俵で戦う必要はありません。あなた自身の「好き」や「得意」、時間を忘れて没頭できることこそが、ビジネスの強力な武器になります。
【ACTION PLAN】あなたの「魔法」を見つけよう
好きなこと、得意なこと、人から褒められることを5つ書き出してみましょう。(例:絵を描く、文章を書く、人と話す、整理整頓、料理)その「好き・得意」は、誰かのどんな「困った」を解決できるか考えてみましょう。絵を描くのが好き → SNSで使うアイコンやヘッダー画像が欲しい人の助けになるかも?整理整頓が得意 → 片付けが苦手な人の悩みを解決できるかも?
キキが「飛ぶこと」と「荷物を運ぶニーズ」を結びつけたように、あなたの「好き・得意」と誰かの「困った」を掛け合わせることで、独自のビジネスが生まれるのです。
第2章:いざ、開業!〜完璧を求めず、まずは小さく始めてみよう〜
ビジネスのアイデアが固まったら、次はいよいよ開業です。しかし、最初から大きなリスクを負う必要はありません。キキの開業スタイルは、ミニマムスタートの理想形です。
初期投資は最小限に
キキの事業資金は、お父さんからもらったわずかなお金だけ。彼女の仕事道具は、ほうきとラジオ、そして住まいとして借りたパン屋の屋根裏部屋。これだけでビジネスはスタートしました。
電話線を引くこともなく、オソノさんからパン屋さんの電話線を使うことを許してもらい、初期費用はほとんどかけていません。
スモールビジネスを始める際に、「立派なオフィスがないと…」「完璧なウェブサイトがないと…」と準備に時間をかけすぎて、スタートできない人が多くいます。しかし、大切なのは「まず始めること」。
【ACTION PLAN】ゼロ円で始められることから着手しよう
無料のSNSアカウント(X, Instagramなど)を開設し、あなたのサービスを発信する。スマホで撮った写真や、Canvaなどの無料ツールでサービス紹介画像を作る。まずは友人や知人に「こんなことを始めようと思っている」と話し、モニターになってもらう。
グーチョキパン店の店先を借りて「お届けものいたします。魔女の宅急便」という手作りの看板を出したキキのように、まずは「自分は何者で、何ができるのか」をシンプルに打ち出すことから始めましょう。
僕の場合では好きなことが「ものづくり」、得意なこと(人が嫌がるけれど自分が当たり前にできること)は、「AIなどの新しいものに物怖じしづらい」ことでした。これを掛け合わせて個人開発を始めました。
第3章:初めての仕事と顧客との出会い〜信頼を築くコミュニケーション〜
ビジネスは、お客様との出会いから始まります。最初の仕事、最初の顧客とのコミュニケーションが、その後の事業の行方を大きく左右します。
期待を超える仕事で、信頼を勝ち取る
キキの最初の大きな仕事は、黒猫のぬいぐるみを届ける依頼でした。しかし、カラスに襲われ、商品を森の中に落としてしまうという絶体絶命のトラブルに見舞われます。
ここでキキは諦めませんでした。森の画家ウルスラの助けを借りてぬいぐるみを直し、無事に時間通りに届けます。この「ただ届ける」だけでなく、トラブルにも誠実に対応し、最後までやり遂げる姿勢が、顧客の信頼を生むのです。
【ACTION PLAN】ファンになってもらうための「プラスα」
依頼された仕事に、手書きのメッセージカードを添えてみる。納品後、「何か不具合はありませんか?」と一声かけてみる。万が一トラブルが起きても、隠さず、誠実かつ迅速に報告・対応する。
また、ニシンのパイを届けたおばあさんのエピソードも重要です。届け先の孫娘の反応は冷たく、キキは落ち込みます。しかし、依頼主であるおばあさんはキキの仕事に心から感謝し、お礼にチョコレートケーキを焼いてくれました。
すべてのお客様を100%満足させることは不可能です。しかし、あなたを評価し、応援してくれる人を大切にすることが、ビジネスを長く続けるための何よりのエネルギーになります。
第4章:スランプとどう向き合うか?〜魔法が消えた日〜
事業が軌道に乗り始め、忙しい日々に追われるようになった頃、キキは突然飛べなくなってしまいます。魔法の力が消えてしまったのです。
これは、ビジネスにおけるスランプや燃え尽き症候群と全く同じです。日々のタスクや売上に追われ、自分が何のためにこの仕事をしているのか見失い、当初の情熱や楽しさを忘れてしまう。多くの起業家が経験する壁です。
「何もしない」勇気と、初心への回帰
飛べなくなったキキは、仕事を休み、森で暮らすウルスラの山小屋を訪ねます。そこで彼女は、仕事から完全に離れ、「何もしない時間」を過ごしました。
ウルスラはキキにこう語ります。
「魔法も絵も似てるね。私も描けなくなる時があるよ」
「そういう時はジタバタするしかない。描いて描いて描きまくる」「でも、それでもダメなら描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、昼寝したり。何もしない。そのうち急に描きたくなるんだよ」
ビジネスから意図的に距離を置き、心と体を休めること。そして、「なぜ、自分はこの仕事を始めたんだっけ?」と初心に立ち返ること。この時間こそが、スランプを乗り越え、再び飛び立つための滑走路になるのです。
【ACTION PLAN】意識的に「何もしない」時間を作ろう
週に一度は、仕事のことを一切考えない日を作る。ビジネスとは全く関係のない趣味や、好きなことに没頭する。事業を始める前の気持ちを、日記やノートに書き出してみる。現代人は忙しすぎます。移動時間にもスマホやPCで仕事ができてしまう。トイレでも、風呂でも。そんな世の中だからこそ、意図的に何もしない時間を作り出しましょう。
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
第5章:復活、そして成長へ〜コミュニティに支えられて〜
自分と向き合い、休息をとったキキ。彼女の魔法が完全復活するきっかけは、友人のトンボの危機でした。
「誰かのために」という想いが、最大の力になる
飛行船から落ちそうになったトンボを「助けたい!」という強い想いが、キキに再び飛ぶ力を与えます。デッキブラシにまたがり、人々の間を駆け抜けていくあのシーンは、ビジネスの本質を象徴しています。
自分のためだけに頑張るのには限界があります。「この人の役に立ちたい」「この人を助けたい」という純粋な想いこそが、困難を乗り越えるための最も強いモチベーションになるのです。
この一件を通して、キキはもはや「よそ者の魔女」ではなく、街の人々から応援さ
れるコミュニティの一員となりました。パン屋のおソノさん夫妻、画家のウルスラ、そしてトンボ。多くの人に支えられ、彼女のビジネスはより確かなものへと成長していきます。
スモールビジネスも同じです。お客様、協力してくれる仲間、応援してくれるファンとの繋がり(コミュニティ)が、あなたのビジネスを一人では辿り着けない場所へと運んでくれます。
おわりに:あなたも、あなたの町で「魔女」になれる
物語の最後、キキは両親にこう手紙を書きます。
「おちこむこともあるけれど、私この町が好きです」
『魔女の宅急便』最後の台詞
見知らぬ土地で、自分の力一つでビジネスを立ち上げ、スランプを乗り越え、かけがえのない仲間と居場所を見つけたキキ。彼女は、自分らしい働き方と生き方を見つけました。
特別な魔法はなくても、あなたの中にある「好き」や「得意」は、誰かの役に立つ立派な魔法です。
キキのように、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか。
人と繋がり、コミュニティに支えられながら、あなただけのビジネスを育てていく。このnoteが、その冒険の始まりを後押しできれば、これほど嬉しいことはありません。
おわりに
僕は昨日、彼女とジブリパークに行ってきました。行き道に、自分が小さい頃に最後に見た『魔女の宅急便』を見てから行くことにしたのですが、まさしく僕の現在の生活とリンクしました。
彼女が大学の時、「ジブリと心理学」という講義があったそうです。これは、キキが途中からジジという🐈⬛の声が聞き取れなくなってしまうこと、これがキキの成長によるものだという話だったそうです。
こうした側面からも学びになる、大学の講義にもなってしまうようなコンテンツを生み出す宮崎駿監督の素晴らしさを感じるとともに、僕の感じたことを皆さんに共有したくなりました。
この歳になり、改めてジブリ作品を見ると解像度が上がり、考えさせられるものになりました。
みなさんも、スランプの時、考えすぎてしまう時、一度ジブリを見て、初心に帰ってはいかがでしょうか。