Cursor と GitHub Copilot の違いとは?
Cursor と GitHub Copilot はどちらも AI を活用した開発支援ツールですが、それぞれの目的や特徴には大きな違いがあります。この記事では、Cursor が GitHub Copilot と比べてどのような点で優れているのか、またどのような違いがあるのかを解説します。
1. 目的の違い
Cursor
Cursor は開発者向けの AI 支援エディタであり、補完だけでなくエディタ全体の体験を向上させることを目指しています。コード編集、レビュー、リファクタリング、バグ検出など、幅広い機能を提供します。
GitHub Copilot
GitHub Copilot は、VS Code や他のエディタ上で動作するコード補完専用ツールです。コードの生成や補完に特化しており、エディタ自体を拡張する機能は少なく、補助的なツールとして動作します。
Cursor と GitHub Copilot の比較表
項目 | Cursor | GitHub Copilot |
---|---|---|
目的 | エディタ全体の体験を向上させる | コード補完専用のツール |
補完機能の深さ | 詳細なコンテキスト理解と複数行補完 | 単純な補完や簡易的なコード生成に特化 |
AI モデルの選択 | Claude などのモデルを選択可能 | OpenAI Codex 固定 |
コラボレーション機能 | チャットやリアルタイムレビューが可能 | 個人利用が中心 |
料金(無料プラン) | 2000 回の補完リクエストが利用可能 | 無料プランはなし |
料金(有料プラン) | 月額 20 ドルで無制限の補完が可能 | 月額 10 ドルで補完機能が利用可能 |
対応環境 | 独自エディタとして提供 | VS Code などのエディタで動作 |
コードリファクタリング | AI が大規模なリファクタリングを支援 | 手動で実施する必要あり |
バグ検出 | AI がバグを検出して修正案を提案 | 機能なし |
注記:
- Cursor はエディタ自体が AI に最適化されており、包括的なサポートを提供します。
- GitHub Copilot は補完に特化しており、シンプルでコストパフォーマンスの良い選択肢です。
エンジニアの種類別の最適な選択
エンジニアの種類 | 最適なツール | 理由 |
---|---|---|
ソフトウェアエンジニア | Cursor | コード補完だけでなく、リファクタリングやバグ検出など幅広く対応可能 |
フロントエンドエンジニア | Copilot | 軽量な補完機能が使いやすく、短いスニペット生成が効率的 |
バックエンドエンジニア | Cursor | ロジックが複雑なコードの補完や大規模なリファクタリングに向いている |
Sler・システムエンジニア | 不要 | コード作成が主業務ではなく、これらのツールの恩恵を受けにくい |
データサイエンティスト | Cursor | Python スクリプトの生成や AI モデルのコード補完、リファクタリングが便利 |
機械学習エンジニア | Cursor | モデルコードの生成、検証、リファクタリングを一括で支援可能 |
学生・初学者 | Copilot | 簡単にセットアップでき、直感的にコード補完を体験できる |
フリーランスエンジニア | Cursor | コラボ機能や多機能を活用しつつ、柔軟な開発環境を構築可能 |
チーム開発エンジニア | Cursor | リアルタイムのコードレビューやコラボレーション機能がチームで役立つ |
スクリプト作成者 | Copilot | 単純な補完機能で、効率的に短いコードを書ける |
- Cursorは、複雑なコード作業を行うエンジニアや、チームでの開発を行うエンジニアに向いています。特に、リファクタリングや AI モデル選択、コラボレーションが必要な場合に優れています。
- GitHub Copilotは、シンプルかつ軽量な補完機能を提供し、初心者や単純な補完作業を求めるエンジニアに適しています。
選択は作業内容や開発環境によりますが、チーム開発や高度な AI 機能が必要なら Cursor、手軽な補完が必要なら GitHub Copilot が最適です。
2. 補完機能の深さ
Cursor
Cursor は、より詳細なコンテキスト理解をもとにした補完が可能で、複数行のコード生成や大規模リファクタリングを実行できます。また、質問ベースでのコード生成や修正提案が可能です。
GitHub Copilot
Copilot は優れた補完精度を持ちますが、基本的には補完や簡易的なコード生成に限られています。複雑なコード編集やリファクタリングは手動で行う必要があります。
3. AI モデルの選択
Cursor
Cursor は、Claude や他の大規模言語モデルを活用しており、ユーザーがモデルを選択可能です。特定のユースケース(例: コード生成、文章生成)に応じた柔軟性を提供します。
GitHub Copilot
Copilot は OpenAI Codex をベースとしており、モデル選択の柔軟性はありません。
4. コラボレーション機能
Cursor
Cursor は内部にチャット機能を備えており、リアルタイムでチームメンバーとやり取りが可能です。AI を利用したコードレビューやバグ検出など、チームでの作業効率向上を重視しています。
GitHub Copilot
Copilot にはコラボレーション機能がなく、個人での利用が中心です。
5. コストパフォーマンス
Cursor
Cursor の無料プランでは、2000 回の補完リクエストと 50 回のスロープレミアムリクエストが含まれています。Pro プラン(月額 20 ドル)では無制限の補完と追加機能が利用可能です。
GitHub Copilot
Copilot は月額 10 ドル(個人プラン)で、補完専用の機能にアクセス可能です。価格は安いものの、補完機能以外は提供されていません。
結論
Cursor は、コード補完だけでなく、エディタ全体の AI 支援を提供し、リファクタリング、バグ検出、コラボレーション機能など多くの場面で活躍します。一方、GitHub Copilot は、シンプルかつ強力な補完ツールとして、補助的な役割に特化しています。
どちらを選ぶべきかは、求める機能の範囲や開発スタイルに依存します。Cursor は包括的な AI サポートを必要とするユーザーに、GitHub Copilot はコーディング中の補完を重視するユーザーに向いています。