
含み益マップ
🎯 プロダクト概要
含み益マップは、企業の有価証券報告書(PDF)をアップロードするだけで、AIが土地資産データを自動抽出し、地図上に可視化するWebアプリケーションです。
🌐 公開URL:
なぜ作ったのか?
企業の有価証券報告書には、膨大な土地資産情報(住所、簿価、面積など)が記載されていますが、それを手作業で地図に落とし込むのは非常に手間がかかります。「PDFを放り込むだけで、AIが自動的に地図化してくれたら便利では?」という発想から、このプロダクトを開発しました。
また、国土交通省が公開している地価公示データ(全国25,993地点)を組み合わせることで、簿価と推定時価の差額(含み益)を可視化し、企業の土地資産の価値を一目で把握できるようにしています。
✨ 主な機能
1. 📤 PDFアップロード
- ドラッグ&ドロップで有価証券報告書を簡単アップロード
- ブラウザ上で完結、インストール不要
2. 🤖 AI自動解析
- PDFから企業名、会計年度、土地資産情報を自動抽出
- 住所、簿価、面積などを構造化データとして取得
3. 🗺 インタラクティブ地図
- 抽出したデータを地図上にマッピング
- ピンをクリックすると詳細情報を表示
- 北から順、含み益順、面積順でソート可能
4. 📍 高精度な住所検索
- 日本の詳細住所を正確に座標変換
- 複数の住所検索サービスを組み合わせて精度を向上
- 変換失敗時は⚠️警告マークで通知
5. 💰 含み益の可視化
- 国土交通省の地価公示データ(25,993地点)を活用
- 最寄りの公示地価から推定時価を算出
- 簿価との差額(含み益)を自動計算
6. 📊 解析履歴
- 過去の解析結果を保存・閲覧
- CSV/JSONエクスポート機能
- 削除機能
7. 🔐 セキュアなログイン
- Googleアカウントでログイン
- データは安全に管理
8. 💳 サブスクリプションプラン
- Freeプラン: ¥0(日次2回、月次20回)
- Proプラン: ¥1,480/月(日次20回、月次500回)
- 解約・支払い履歴・領収書ダウンロード機能
🛠 使用している技術
フロントエンド
- Astro - 高速な静的サイト生成
- React - UIコンポーネント
- Mapbox - インタラクティブ地図
- Tailwind CSS - モダンなスタイリング
バックエンド
- Cloudflare Workers - グローバルに分散したサーバーレスAPI
- Cloudflare D1 - データベース(解析結果・ユーザー情報)
- Cloudflare KV - 高速なデータストア
AI・データ
- Google Gemini - AI による PDF解析
- 国土交通省 地価公示データ - 実測地価データ(25,993地点)
決済・認証
- Google OAuth - ログイン機能
- Stripe - サブスクリプション決済
🏗 システム構成
なぜこの構成を選んだか?
Cloudflareのサーバーレス基盤
- サーバー管理が不要で、メンテナンスの手間がかからない
- 世界中に分散されたネットワークで高速にアクセス可能
- 無料枠が大きく、小規模なサービスなら運用コストをほぼゼロに抑えられる
Astro + React
- ページの初期表示が非常に高速
- 必要な部分だけを動的に動かすことで、パフォーマンスを最適化
Google Gemini
- PDFの内容を高精度で理解し、構造化データとして抽出できる
- コストパフォーマンスが良く、高速な処理が可能
Mapbox
- 美しく、カスタマイズ性の高い地図表示
- 大量のピンを表示してもスムーズに動作
🚀 開発期間
開発期間
構想は11月中頃。実装は12月入る前に完了。決済が面倒で放置していた。
- 約3日
- 初日でローカル完成
- 2日目で決済機能を導入
- テストとセキュリティチェック
💡 開発で工夫したポイント
1. AIによる高精度なデータ抽出
最新のAI技術を活用し、PDFから土地資産情報を自動で抽出。手作業では何時間もかかる作業を数秒で完了できるようにしました。
2. 複数の住所検索サービスを組み合わせた高精度化
日本の住所は表記ゆれが多く、一つのサービスだけでは精度が出ないことがあります。複数のサービスを組み合わせることで、より多くの住所を正確に地図上にマッピングできるようにしました。
3. 国土交通省の実データを活用した地価推定
25,993地点の実測地価データを活用し、最寄りの地点から推定時価を算出。より現実に近い含み益を計算できるようにしています。
4. サーバーレスアーキテクチャ
サーバー管理が不要な構成により、開発に集中でき、運用コストも最小限に抑えられました。
🎓 このプロジェクトから学んだこと
1. サーバーレス技術の威力
Cloudflareのサーバーレス基盤を使うことで、インフラ管理をほぼゼロにしながら、本格的なWebアプリを構築できることを実感しました。
2. 最新AIの実用性
最新のAI(Gemini)は、PDF解析のような複雑なタスクを高速・低コストで処理できる実用レベルに達していることを確認できました。
3. 決済システムの実装
Stripeを使うことで、サブスクリプション決済を比較的簡単に実装できました。
4. 日本の住所データの複雑さ
日本の住所は表記ゆれが多く、ジオコーディング(住所→座標変換)の精度を高めるには複数のサービスを組み合わせる必要があることを学びました。
📝 今後の展望
短期的な改善
- 解析精度の向上
- 地図のUI/UX改善(フィルタリング、検索機能など)
- モバイル対応の強化
中期的な拡張
- 複数企業の比較機能
- 時系列での含み益推移グラフ
- 業界別・地域別の統計分析
長期的なビジョン
- 不動産投資家向けダッシュボード
- 金融機関向けサービス展開
- 海外展開(英語対応、海外の土地データ)
💬 最後に
このプロダクトは、「最新のAI技術とサーバーレス技術を組み合わせれば、個人開発者でも短期間で実用的なSaaSを作れる」 ことを証明するために開発しました。
企業の土地資産を可視化するという、ニッチだけど確実にニーズがある領域で、テクノロジーの力で価値を提供できたと思います。
もし興味を持っていただけたら、ぜひ試してみてください!
フィードバックや質問もお気軽にどうぞ。
