アプリ申請のためのシンプルな規約の作り方

要約
アプリの申請にあたり必要になる規約類の法律文書の作り方。文書は利用規約、特商法に基づく表記、プライバシーポリシー。法律文書作成サービスとバーチャルオフィスを利用する。App Storeを対象にするが、他プラットフォームやWebサービスでも応用可(のはず)。
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先日、「カレーいつ食べた?」というiPhoneアプリをリリースしました。これが初アプリでして、アプリの申請に必要な規約やプライバシーポリシーの作成に悩みました。結局、自力でやらずに手頃な価格のサービスを利用したので、同じ問題で悩む人のためにまとめておきます。

基本的に個人開発者向けの内容です。App Storeを対象にしていますが、Google Playストアや一般的なWebサービスでも同じ方法で大丈夫だと思います。しかし、周りに相談できる人がいれば相談してください。

今後、規約周りが原因でリジェクトされたときは追記・修正します。

この記事の内容でかかる費用

この記事では、法律文書作成サービスとバーチャルオフィスの年間契約を利用します。規約やプライバシーポリシーでは住所を掲載する必要があり、個人開発者で自宅の住所を公開したくない場合はバーチャルオフィスを契約します。
公開可能な住所(事務所)を持っている方は約4,000円で済みます。

初年度2年目以降
自宅の住所を公開しない約17,500円約12,000円
公開可能な住所がある約4,000円同左

Apple Developer Programなどの登録料も高いので自力で済ませて節約したい気持ちもわかりますが、あれこれ悩んだ上に不安が拭えない文書に時間をかけるよりも結果的に安上がりだと思います。

用意する規約

それぞれの法的な役割は弁護士監修のサイトを検索してください。

  • 利用規約
  • 特商法に基づく表記(特定商取引法)※有償アプリ、またはアプリ内課金があるアプリの場合
  • プライバシーポリシー

これらに加えて、問い合わせ先が必要になります。法律文書ではありませんが、本記事ではユーザーに提示しなければならない情報としてまとめて扱います。以下に表にまとめておきます。(作成方法と公開方法は以降の節で触れます)

収益化しない収益化する作成方法公開方法
利用規約KIYACKIYACまたはNotion
特商法に基づく表記KIYACKIYACまたはNotion
プライバシーポリシーKIYACKIYACまたはNotion
問い合わせ先GoogleフォームGoogleフォーム

規約の提出先

いずれの規約と問い合わせ先も、アプリ内から参照できるようにする必要があります。
App Store Connectでは、申請時にプライバシーポリシーのURLとサポート(問い合わせ先)のURLを指定する必要があります。

要はすべての規約をWebで公開し、アプリ内からアクセスできるようにすれば大丈夫です。

規約の作成方法

法律文書作成サービスの利用をおすすめします。

私は KIYAC を利用しました。KIYACの場合、年間3,960円のライトプランでこれらの規約を作成できます。アプリの内容に関する質問に答えて住所を指定すれば完成です。GDPRの対応や英語版も必要な場合はスタンダードプラン(年間9,800円)にするといいでしょう。

住所を公開したくない場合

規約やプライバシーポリシーに自宅の住所を掲載したくない場合は、住所を借りられるバーチャルオフィスを利用します。

私は DMMバーチャルオフィスのミニマムプランを契約しました。ミニマムプランは月660円と安価ですが、年間契約・一括前払い7,920円になります。入会金5,500円も必要になるので、初年度の合計費用は13,420円になります。Webサイトや名刺にも住所を利用したい場合や、固定電話番号が必要な場合はプランの変更が必要です。

作成した規約の公開

作成した規約はWebで公開する必要があります。KIYACのライトプランでは作成した文書の独自URLを発行可能ですが、私の場合はコピペしてNotionで公開しています。来年以降も継続するかわからないので。

無料で使える規約のテンプレートではダメなのか?

無料で利用可能な各種規約の弁護士監修テンプレートを公開しているサイトは多く、テンプレートをコピーして自分で書き換えれば費用を節約できます。たとえば Webサイトの利用規約 なら弁護士監修のテンプレートが手に入ります。

ただ、個人的には以下の理由からテンプレートの利用をお勧めしません。

  • 自分が編集・追加した内容に法的な問題が含まれる可能性がある。
  • 法改正への対応が難しい。検索で上位に来る情報の中には法改正前の古いものもあるので注意しなければいけませんが、素人が判断するのは難しいです。

問い合わせ先の作成

問い合わせ先の作成はGoogleフォームで問題ありません。無料で作成可能、公開可能です。

フォームの項目は、単純なアプリであれば以下の項目があればいいのではないかと思います。

  • フィードバックの種類(不具合の報告、要望、質問、感想など)
  • フィードバックの内容
  • メールアドレス(返信が欲しい人のためのオプション)
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