Cloud Run の無料枠を最大限活用する

要約
無料枠内なら完全無料で運用可能だが、無料枠を超えないようにするためには、オートスケール設定と予算アラートで超過を防止するなど継続的なモニタリングと最適化が重要。
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Cloud Run の無料枠を最大限活用する方法

Google Cloud の無料サービスの中でも特に注目を集めている Cloud Run。その無料枠は、個人開発者やスタートアップにとって、まさに救世主となっています。では、この無料枠をどのように活用すれば、コストを抑えながら最大限のメリットを得られるのでしょうか。

無料枠の基本情報

Cloud Run の無料枠は、毎月以下のリソースが提供されます。

  • コンピューティング時間。180,000 vCPU 秒
  • メモリ時間。360,000 GiB 秒
  • リクエスト数。2,000,000 回
  • ネットワーク帯域。1 GB

具体的な利用可能時間

各リソースの実質的な利用可能時間は以下の通りです。

項目無料枠備考
CPU180,000 vCPU 秒/月1vCPU で 50 時間 継続稼働可能
メモリ360,000 GiB 秒/月1GB で 100 時間 継続稼働可能
リクエスト数200 万リクエスト/月小規模サイトなら 無料枠内で収まることが多い
ネットワーク転送無料枠なし※ 備考1

備考1 : Cloud Run にはネットワーク転送の無料枠はないが、Cloud CDN を組み合わせることで、キャッシュしたコンテンツは 1TB まで無料で配信できます。

これだけ見ると数字の羅列に思えますが、実際のアプリケーション運用ではどのくらいの規模をカバーできるのでしょうか。

料金のポイント

Cloud Run の無料枠には、以下のような特徴があります。

  • Cloud Run の無料枠は「請求サイクルに基づいて毎月リセットされる」
  • 無料枠内なら完全無料で運用可能
  • オートスケール設定と予算アラートで超過を防止
  • 最小インスタンス数を 0 に設定で効率的な運用が可能

最小インスタンス数を 0 に設定すると、アクセスがないときは完全に停止するため、CPU とメモリの消費が 0 になります。ただし、初回アクセス時にコールドスタートが発生する可能性があるため、企業のコーポレートサイトなどでは注意が必要です。

コスト管理のための重要設定

効果的なコスト管理のために、以下の設定を推奨します。

オートスケール設定

最大インスタンス数を制限し、予期せぬスケールアウトを防止。

リクエスト制限

同時実行数を制限し、リソースの過剰使用を防止。

効果。

  • 1 インスタンスが処理するリクエスト数を制限
  • 急激な負荷増大を防ぎ、コスト最適化
  • コーポレートサイトなら c10 で十分

最小インスタンス数の設定

Cloud Run は「最小インスタンス数(min-instances)」を 0 に設定すると、アクセスがないとき完全停止し、CPU & メモリ消費が 0 円になります。

設定説明コスト削減効果
--min-instances=0アクセスがないときは完全停止(ゼロスケール)最大限の節約 ✅
--min-instances=1 以上常に最低 1 インスタンスを維持(即応性 UP)待機時間なしだがコスト発生 💰

コールドスタートが問題になる場合は、Cloud CDN の利用や、最小インスタンス数の調整を検討しましょう。

実践的な運用例

たとえば、1 vCPU・256 MB のメモリを割り当てたコンテナの場合、以下のような運用が可能です。

  • 1 日あたり約 2,000 リクエスト
  • レスポンスタイム 1 秒以内
  • コンテナの起動時間 30 秒以内

このスペックで、個人ブログや小規模な Web アプリケーションを十分に運用できます。では、どうすれば無料枠を超えないように運用できるのでしょうか。

無料枠を超えないためのベストプラクティス

コンテナの最適化

  • ベースイメージは軽量な distroless や alpine を使用
  • マルチステージビルドでコンテナサイズを最小化
  • 不要なプロセスやファイルを削除

リソースの適切な設定

  • 最小インスタンス数は 0 に設定
  • メモリは必要最小限に抑える(多くの場合 256MB で十分)
  • CPU は 1 vCPU から始める

スケーリングの制御

  • 最大インスタンス数を適切に制限
  • コンカレンシーを調整してリソース使用を最適化
  • 急激なスケールアップを防ぐための設定

無料枠で運用可能なアプリケーション例

以下のようなアプリケーションであれば、無料枠内での運用が現実的です。

  • 個人ブログや静的 Web サイト
  • Webhook 受信サーバー
  • 定期的なバッチ処理
  • 小規模な API サーバー

モニタリングの重要性

無料枠を維持するためには、リソース使用量の監視が不可欠です。

  • Cloud Monitoring でリソース使用量を定期的にチェック
  • 予算アラートを設定して超過を防止
  • アプリケーションのログを分析して最適化ポイントを発見

次のステップ

次のステップとして、実際のアプリケーションをデプロイする際は、まず小規模な実験から始めることをお勧めします。そして、徐々にスケールを拡大しながら、無料枠の範囲内で最適なパフォーマンスを追求していきましょう。

無料枠を最大限活用するためのキーポイントは、「必要最小限のリソース」で「最大限の効果」を得ることです。定期的なモニタリングと最適化を忘れずに行いましょう。

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