個人開発をしていると、プロダクトのリリース後に
「あれ?なんでこうなった?」という設計上のミスに気づくことがある。
実はさ、ワイ8ヶ月間、開発にフルコミットしたのよ。

1日、12時間は開発やったかな。食事も睡眠もいらねぇと思ってたよ
当然、資金も貯金もガンガン減るやん?
で、こんだけやったからお金になるかなーと余裕かましてたら
- 「あれ?何で誰も使ってくれないの?」
- 「なんで、収益化できないの?」
といった具合。まぁ、当たり前よね
この記事では、そんな「やらかした設計ミス」と「なぜそれが問題だったのか」「今ならどうするか」をまとめておく
設計ミス一覧とその本質
X の内容を書き出すとこんな感じ。多分これ意識するだけで成功率上がると思うよ?
設計ミス | 結果・理由 |
---|---|
関係性ゼロでリリース | 誰も来ない。仲良くなったり営業も必要 |
技術選定が雑 | FWや認証が密結合で後から変更不能 |
継続利用ありでも無課金 | PMFじゃなくPMM不足(伝え方・売り方) |
AIがDB直叩き | dev DB全消し事故。RLS+読み取り専用View必須 |
安すぎる価格 | 価値が伝わらない(価格=ポジション) |
要件定義を軽視 | 設計の軸がブレる |
フリーミアム設計ミス | 有料転換されない |
自分だけでテスト | 想定外の使われ方に気づけない |
サブスク導線が不明瞭 | 離脱される(動線もUXの一部) |
Stripe Connect導入 | 単一送金なら不要。撤去困難 |
課金制御が複雑 | true/falseで即切り替え可能に |
サポートが人力のまま | スケールしない(自動化設計必須) |
UI改善だけで課金期待 | 動機と心理フックが必要 |
グロース設計を軽視 | 放っておいても広まらない(仕掛けと導線必要) |
AI導入時に本番DB直参照 | View+サンドボックスで安全に分離 |
深掘り:なぜそれが問題だったのか?
ちょっとだけ解説しておくよ
関係性ゼロでリリース
Xのタイムラインでよく見る「誰にも見られないまま埋もれる」というパターン。技術が優れていても、関係性がなければ届けられない。「この人のサービスなら使ってみたい」と思ってもらうには、リリース前から少しずつ関係性を積み上げておくことが重要。
で、これが大事なところだけど
フォロワーさんは情報を求めてない、関係性を求めてるのよ。関係性があるから応援してくれる
フォロワーさんに関心を持って会話を大事にすべし。
どんな有益な情報だけ発信しても、関係性が構築されていなければ拡散してくれない。と思ったほうがいいね
実はXアルゴリズムで「会話が自然発生し、かつ著者がその会話にリアクションするポストを作る」は最強の重み。おすすめに表示されやすくなる(知ってた?)
で、身も蓋もないこと言うと
「アイデアに力なし。人は知ってるものを使う。知ってる人から買う」
うーん、この。
AIがDB直叩き
とりあえず、これを見て欲しい
これ、Claude Code という AI エージェントに、Supabase MCP を、--read-only 外して、直でDB触らせたの。
そしたら、Supabase のテーブルが、ポンっ空になったのよ
ワイ「Supabase のDBの中身が全部消えましたよ」
AI「申し訳ありません!」
って謝罪するけど、新人の謝り方よね。ワイもね「そんなこと言われても…」って思ったけどね
AI がSupabase のテーブル全部削除しちゃった…
バックアップも取ってたし、リストアも有効にしてたし、Dev 環境で助かったけど、こんなに恐ろしいことは無いよ?
ワイ、漏らしそうになったからね…
詳しくはこれに書いたけど、目の前で Supabase の テーブルがポンって消えるから、トラウマになったよ
AI系のプロダクトでよくある落とし穴。生成AIに直接SQLを叩かせた結果、dev環境でDB全消し事故発生。MCPのようなAI実行環境には、読み取り専用Viewとサンドボックス環境の両方が必要。
技術選定が雑
開発初期に「とりあえず動くものを」と思って選んだ技術スタックが、後になって地獄を生む。FWや認証がアプリのあちこちに密結合されていると、仕様変更やサービスの乗り換えがほぼ不可能になる。抽象化とインターフェース設計は「後から楽をするための保険」。
だから、とりあえず、Next.js と Supabase で、というのは危険。
FWや認証変えたくなったら面倒よ?
継続利用ありでも無課金
使われている=価値がある、とは限らない。課金されない原因はPMF(プロダクトの価値)ではなく、PMM(届け方・売り方)にあることも多い。UIの改善よりも、心理的な動機づけや、料金プランの提示タイミングの方が重要だったりする。
安すぎる価格
価格は「価値」ではなく「ポジション」だと痛感。無料 or 100円では逆に「なんか怪しい」と思われたり、信頼されないこともある。価格には機能以上に「メッセージ」が込められている。
UI改善だけで課金期待
ボタンを見やすくしただけでは課金は起きない。必要なのは、課金する理由。たとえば「期限」「限定要素」「感情フック」など、課金を後押しする仕掛けが設計に織り込まれているか。
どうすればよかったか?(再発防止策)
- 技術選定は「後で変えられるか」を重視し、Adapter層やInterfaceを用意
- MCPやAI系ツールを使う場合は、読み取り専用View+devサンドボックスを前提に設計
- フリーミアムは「無料では触れない価値」をどこに置くかを最初に決めておく
- 課金導線は設計の最初から画面遷移やモーダルとして組み込む
- サポートは必ず自動化・テンプレート化し、人間工数ゼロを前提にする
終わりに
「設計ミス」は恥ではなく、進化の証。やらかしたぶんだけ、設計の引き出しが増える。個人開発においては、トラブルや事故がそのまま“知見”となって蓄積されていく。もし今、自分のプロダクトに違和感があるなら、それは成長の前兆かもしれない。