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Claude Codeで機械学習モデルをファインチューニングした話 — YOLOの精度改善をAI駆動開発で回すのアイコン

Claude Codeで機械学習モデルをファインチューニングした話 — YOLOの精度改善をAI駆動開発で回す

AI通行量調査アプリのYOLOモデルをClaude Codeでファインチューニングし、車両・歩行者の検出精度を実用レベルまで引き上げた スマホアプリとML パイプライン全体をClaude Codeに指示して構築した

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Colab MCP × Claude Code でYOLOモデルをファインチューニングした — ローカルPCにGPUがなくても機械学習を回す方法

3行要約

  • Google公式の Colab MCP Server を使い、Claude Code からColabのGPUに直接アクセスしてYOLOのファインチューニングを実行した
  • データ前処理・学習設定・学習実行・評価・モデル変換まで、ターミナルから一歩も出ずにMLパイプラインを完結させた
  • 個人開発のモバイルアプリ(交通量調査)に搭載するカスタムモデルを、GPU非搭載のMacだけで作れた

はじめに

2026年3月、GoogleがColab MCP Serverを公式リリースしました。

これは、Claude CodeやGemini CLIなどのMCP対応AIエージェントから、Google ColabのGPUランタイムをプログラム的に操作できるオープンソースのブリッジです。つまり、ローカルのターミナルで指示を出すだけで、Colabのノートブックにセルを作成し、コードを書き込み、GPU上で実行し、結果を受け取れるようになりました。

私はこれを使って、交通量調査アプリに搭載するYOLOモデルのファインチューニングを行いました。

GPUを積んでいないMac1台で、です。


従来のワークフローの問題

Colab MCP以前、個人開発者がColabで機械学習を回すワークフローはこうでした:

問題はコンテキストスイッチの多さです。ターミナル→ブラウザ→Drive→ブラウザ→ターミナル。集中が途切れるし、エラーが出るたびにセルを修正して再実行する手動ループが地味に時間を食います。

特にファインチューニングは「パラメータ調整→学習→評価→再調整」の反復が本質なので、このループの摩擦が大きいほどイテレーション回数が減り、結果的にモデルの品質が上がりません。


Colab MCPで変わったこと

Colab MCP Serverを導入すると、ワークフローがこう変わります:

ブラウザを開く必要がありません。 ターミナルから一歩も出ずに、ColabのGPU上でファインチューニングの全工程を回せます。


セットアップ

Colab MCP Serverの設定

Claude Codeの設定ファイルにColab MCP Serverを追加します。

前提条件として、uv(Pythonパッケージマネージャ)とgitがインストールされている必要があります。

設定後、Colabのノートブックをブラウザで1つ開いておけば、Claude Codeからそのノートブックを操作できるようになります。


実際のファインチューニングの流れ

Step 1:環境構築

まず、Colab上にYOLOの学習環境を構築します。

Claude Codeへの指示:

Claude CodeがColab MCP経由でセルを作成し、コードを書き込み、実行。Tesla T4 GPUが利用可能であることを確認したら次に進みます。

Step 2:データの前処理

学習データのアノテーション形式変換をClaude Codeに依頼します。

Claude Codeは変換スクリプトをColabのセルに書き込み、実行。バウンディングボックスのクリッピング処理やフォーマットの検証まで自動で行います。

Step 3:データ拡張

交通量調査の現場は、晴天・曇天・逆光・夜間と条件が多様です。

Step 4:ファインチューニングの実行

ここが本番です。

Claude CodeがYAML設定ファイルの生成から model.train() の実行までをColabのセルで行います。

学習中の進捗はClaude Codeがセルの出力を取得して報告してくれます。T4 GPUで100エポックの学習には数時間かかりますが、途中経過を確認しながら待つことができます。

Step 5:評価

学習が終わったら、モデルの性能を評価します。

Claude Codeが評価結果を取得し、弱点を分析。「truckのRecallが低い。学習データにおけるtruckのサンプル数が不足している可能性がある」といったフィードバックが返ってきます。

この結果を受けて、データを追加して再学習するか、パラメータを調整するかを判断。Colab MCPのおかげで、この反復サイクルがターミナル上で完結します。

Step 6:モバイル向けモデル変換

最後に、学習したモデルをモバイル端末で動かせる形式に変換します。


Colab MCPを使って感じたメリット

1. コンテキストスイッチがゼロになった

ターミナルから一歩も出ない。これが一番大きい。ブラウザとターミナルを行き来する摩擦がなくなると、思考の流れが途切れず、イテレーション速度が格段に上がります。

2. エラー対応が自動化される

Colab上でエラーが発生すると、Claude Codeがセルの出力を取得→エラーの原因を分析→修正コードを提案→承認すれば即再実行。手動でスタックトレースを読んでググる時間がなくなります。

3. MLの「お作法」をClaude Codeが知っている

ファインチューニングには独特のお作法(ディレクトリ構成、設定ファイルの書式、データ分割の方法など)がありますが、Claude Codeに任せればベストプラクティスに沿った構成を自動で組んでくれます。

4. GPU非搭載マシンで完結する

M1 MacでもWindows ノートPCでも、ローカルにGPUがなくてもColabのT4/A100にアクセスできます。個人開発者にとって、高額なGPUを買わずにファインチューニングできるのは大きな利点です。


注意点・ハマりどころ

Colabのセッション制限

Colab無料版はアイドル90分・最大12時間でセッションが切れます。長時間の学習ではPro版(月額1,179円)の利用を検討した方がいいです。セッション切れで学習が中断した場合、チェックポイントからの再開処理もClaude Codeに依頼できます。

ファイルの受け渡し

2026年3月現在、Colab MCP Server経由での直接ファイルアップロードはまだ制限があります。Google Drive経由でデータをやりとりするのが確実です。

学習データの質は人間が担保する

Claude Codeはスクリプトを完璧に書きますが、アノテーションの正確性や学習データの妥当性は人間が判断する必要があります。質の低いデータで学習すれば質の低いモデルになるのは、AI駆動開発でも変わりません。


成果物

今回ファインチューニングしたモデルは、交通量調査アプリ AI Foot Traffic Survey(AI通行量調査) に搭載しています。

スマートフォンのカメラをかざすだけで、車両6種(普通車・トラック・バス・バイク・自転車)と歩行者をリアルタイムに自動カウント。すべてのAI処理を端末内で完結させ、画像は一切保存しないプライバシーファースト設計です。

10分間は無料で計測できます。


Q&A

Q: Colab MCPを使うのにお金はかかりますか?
A: Colab MCP Server自体は無料・オープンソースです。Colabの無料枠でT4 GPUを使えますが、長時間の学習にはセッション制限があるため、Colab Proの利用を推奨します。Claude Codeの利用にはAnthropicのサブスクリプションが必要です。

Q: Colab MCP以外に必要なものはありますか?
A: ローカルにuv(Pythonパッケージマネージャ)とgitがインストールされていれば動きます。GPU搭載PCは不要です。

Q: ファインチューニングの学習時間はどのくらいですか?
A: データ量やエポック数によりますが、約5,000枚の学習データ・100エポックの場合、ColabのT4 GPUで数時間程度です。

Q: Claude Codeなしで、Colab MCPだけでも使えますか?
A: はい。Gemini CLIやその他のMCP対応エージェントからも操作できます。ただし、ML パイプラインの構築を自然言語で指示して一気通貫で回す体験はClaude Codeとの組み合わせが最も快適でした。

Q: ファインチューニングしたモデルの精度は、既成モデルとどのくらい違いますか?
A: 特に日本の道路環境(軽トラック・軽バンの識別、逆光条件など)で改善が顕著でした。具体的なmAPの数値はアプリのバージョンやデータセットによって変わるため一概には言えませんが、現場でのカウント精度は体感で明確に向上しています。

Q: 学習データはどうやって集めましたか?
A: 公開データセット(COCOなど)をベースに、日本の道路環境で撮影した映像からアノテーションを追加しました。データ拡張で明度変更やモーションブラーを加え、多様な条件に対応できるようにしています。

Q: Colabのセッションが切れたらどうなりますか?
A: 学習は中断されますが、チェックポイント(途中経過のモデル)はGoogle Driveに保存されるように設定しているため、再接続後にClaude Codeへ「チェックポイントから再開して」と指示すれば途中から学習を再開できます。

Q: このアプリはどこでダウンロードできますか?
A: iOS(App Store)とAndroid(Google Play)の両方で配信しています。「AI通行量調査」または「AI Foot Traffic Survey」で検索してください。10分間は無料で計測できます。


まとめ

  • Colab MCP × Claude Code の組み合わせで、GPU非搭載のローカルマシンからYOLOのファインチューニングを完結させた
  • ブラウザを開かず、ターミナルから全工程を指示→実行→評価→再学習のサイクルを回せる
  • Colab MCPは2026年3月にリリースされたばかりの新しいツール。ML以外にもデータ分析や可視化など、Colabを使うあらゆるワークフローに応用できる
  • 機械学習のファインチューニングは、もはやMLエンジニアだけのものではない

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