紡ぎ(Tsumugi) — 文章の「完成品」ではなく「完成までの過程」を見せる机
紡ぎ(Tsumugi)は、文章・思考プロセス可視化プラットフォームです。
完成した記事/原稿を置く場ではなく、**完成するまでの過程(紡ぎ)を見せるための机(デスク)**を提供します。
従来の多くの場は「完成した原稿」を前提としているため、途中の調べ物、推敲の試行錯誤、迷い・逡巡を同じ熱量で出しにくい構造があります。紡ぎは「まだ途中」「追っている最中」であることを前提に、机の上に断片を置き、その増減自体がコンテンツになる体験を狙います。
コア概念
ルーム(Room)
- ユーザーが作成する制作机です。
- 1ルーム = 1プロジェクト(小説1本、評論1本、企画1つなど)を想定します。
- 公開/非公開設定が可能です。
キャンバス(Canvas)
- ルーム内の無限平面です。
- FigJam的な無限スクロールに対応し、ズーム・パン操作が可能です。
- オブジェクト間のリンク線表示に対応します。
オブジェクト(Object)
- ルーム内のキャンバス上に配置される最小単位です。
- 文章(本文・メモ等)、メディア(画像・動画・音声)、図形、リンク(外部リンク・引用・参照)などを含みます。
- 作成/更新日時、ラベル(複数可)、有料/無料フラグ、(任意で)本論候補フラグ、キャンバス上の位置座標を持ちます。
リンク(Link)
- 2つのオブジェクト間の接続線です。
- 参照関係、因果関係、バージョン関係など、意味づけはユーザーが自由に定義します。
記録と振り返り
自動保存(Auto Save)
- すべての編集操作が裏で自動的に保存されます。
- タイムラインには表示されません。
- オーナーのみが自動保存履歴にアクセス可能です(後から追加コミットを作成する目的)。
コミット(Commit)
- ユーザーが明示的に作成する、ルームのスナップショットです。
- タイムラインに記録され、後から辿れる唯一の経路になります。
- 任意のコミットメッセージ(オプション)を付けられます。
- 前のコミットとの差分が計算可能です。
タイムライン(Timeline)
- ルーム内のすべてのコミットを時系列に記録したものです(自動保存は含みません)。
- コミット間をジャンプして過去の状態を見られます。
- 追加・削除・変更されたオブジェクトを可視化し、創作プロセスの進化を追体験できます。
ラベル(分類)
- オブジェクトにはラベル(複数可)を付与できます。
- 例:本論(Main)/メモ(Memo)/調査(Research)/日記(Diary)/引用(Quote)/試行(Draft)/その他ユーザー定義ラベル
公開・共有・権限
共有リンク(Share Link)
- ルームを共有するためのURLで、権限レベルごとに以下の3種類があります。
- オーナーリンク:完全な管理権限
- 編集リンク:現在の状態を編集可能
- 閲覧リンク:読み取り専用
- リンクは入室時のみ検証され、入室後はセッションベース(24時間有効)で動作します。URLに含まれるトークンはセッション作成後に削除されます。
権限レベル(Permission Levels)
- オーナー(Owner):最高権限。全機能にアクセス可能
- 編集者(Editor):現在の状態の作成・編集・削除と、コミット作成が可能。過去コミットは閲覧のみ(編集不可)。ルーム設定変更や権限管理は不可
- 閲覧者(Viewer):閲覧のみ。編集不可/コミット作成不可
共同編集(Collaboration)
- オーナーが編集者・閲覧者を招待することで、複数人で同じルーム内作業を行う想定です。
有料化(バリア)
バリア(Barrier)
- オブジェクト単位で設定される有料ロックです。
バリア領域(Barrier Region)
- 複数オブジェクトをまとめて有料設定する領域です。以下の表現方法を持ちます。
- 個別課金:特定オブジェクトのみ有料
- 時間軸課金:特定日時以降に作成されたオブジェクトすべて有料
- 空間課金:キャンバス上の特定領域内のオブジェクトすべて有料
モザイク(Mosaic)
- 未購入ユーザーには、有料バリア対象のオブジェクトをモザイク表示し、内容を隠しつつ存在を示します。
- 購入後は通常表示に切り替わります。
購入(Purchase)
- バリア領域への一度限りのアクセス権購入です。購入後は恒久的にアクセス可能です。
収益化の手段(ビジネスモデル)
- 有料エリア解放時の都度課金(ペイパービュー)
- クリエイターごとの月額サポート(特定ルーム/全ルームのバリアを一括開放)
- プラットフォーム手数料(決済額の一定割合)
発見導線
- 初期フェーズでは、プラットフォーム内の発見機能は基本的に持ちません。
- SNSやブログ等の外部から直接リンクで流入する前提です。
想定ユーザー
主な書き手
- 小説家/小説家志望
- 評論家・随筆家・長文ブロガー
- リサーチ前提の長文レポート・企画書を書く人
- 完成品だけでなく、プロセスそのものを価値として見せたい書き手
主な読み手
- 上記の書き手のファン・フォロワー
- 同じテーマについて考えている書き手・研究者予備軍
- 「作品のメイキング」「思考の裏側」を追いかける層
ユースケース例
小説執筆
- 1作品 = 1ルームとして机を開き、登場人物・世界観・プロット・試し書き・ボツ案をオブジェクトとして配置します。
- 執筆過程は無料公開し、ラスト数章の原稿エリアのみ有料バリアをかける、といった売り方が可能です。
評論・エッセイ
- 仮説・反論候補・引用メモを机に展開し、まとまった結論部分を机の一角にまとめて、その領域を有料にできます。
- 読み手は無料部分のプロセスを眺め、必要なら課金して深いレイヤーに進めます。
企画・アイデア
- ブレスト、試行錯誤、ボツ案をすべて記録し、最終提案だけでなく「なぜその結論に至ったか」を共有できます。