はじめに
Cursor を使用している開発者にとって、GitHub の Issue 管理を直接 AI アシスタント内から行えると便利です。この記事では、GitHub の Model Context Protocol (MCP) サーバーを設定して、Cursor から直接 GitHub Issue を作成・更新・クローズする方法を解説します。技術的な細部ではなく、実用的なセットアップと使用方法に焦点を当てています。
なぜ GitHub MCP を使うべきか?
- コンテキストの切り替えを削減: コードエディタから離れることなく Issue を管理できます
- AI アシスタントの支援: Cursor の AI 機能を使って Issue の作成や更新を支援してもらえます
- 効率的なワークフロー: コーディング中に発見した問題を即座に Issue 化できます
前提条件
- Docker がインストールされていること
- Cursor IDE がインストールされていること
MCPサーバーのセットアップ手順
1. GitHub Personal Access Token の取得
以下の手順で取得します:
- GitHub の Settings > Developer settings > Personal access tokens > Tokens (classic) に移動
- 「Generate new token」をクリック
- トークンの説明を入力(例: "MCP Server Access")
- 以下の権限(スコープ)を選択
repo
(プライベートリポジトリを操作する場合)- または
public_repo
(パブリックリポジトリのみ操作する場合)
- 「Generate token」をクリックし、表示されたトークンを安全な場所に保存
2. MCP サーバーの準備
3. MCP設定ファイルの作成
mcp.json
ファイル(またはプロジェクトルートの.cursor/mcp.json
)を作成し、以下の内容を記述します:
あなたのGitHubトークン
の部分を、先ほど取得した Personal Access Token に置き換えてください。
4. Cursor への MCPサーバー登録
Cursor IDE で以下の手順を実行します:
- Cursor を起動
- Settings(設定)メニューを開く
- MCP タブを選択
- 「+ Add new global MCP server」をクリック
- サーバー情報を入力して登録
実際に使える Issue 操作コマンド
以下は、実際に動作確認済みのコマンド例です。Cursor のチャットプロンプトで以下のような自然言語の指示を出すと、AI アシスタントが適切な MCP コマンドを実行します。
Issue 一覧の取得
「github-your-username/github-your-repo」リポジトリの未解決の Issue をリスト表示してください。
このコマンドは以下の MCP 関数を実行します:
Issue の作成
「Kashino77/005.tokyoadultboard」リポジトリに「ログイン画面のバグ修正」というタイトルの Issue を作成してください。内容は「ログイン時にパスワードが正しくても認証エラーが表示される問題があります。優先度高めで対応が必要です。」としてください。
このコマンドは以下の MCP 関数を実行します:
Issue の更新・クローズ
リポジトリ「自分のユーザー名/リポジトリ名」の Issue #5 をクローズしてください。
このコマンドは以下の MCP 関数を実行します:
よくあるトラブルと解決方法
MCP サーバーが接続できない
症状: Cursor で MCP コマンドを実行しようとすると「MCP サーバーが見つかりません」というエラーが表示される
解決策:
- Docker コンテナが正常に起動しているか確認
mcp.json
が正しい場所にあるか確認- Cursor を再起動して MCP サーバーを再読み込み
GitHub APIエラーが発生する
症状: mcp_github_*
コマンドを実行すると認証エラーや権限エラーが発生する
解決策:
- GitHub Personal Access Token が有効か確認
- トークンに必要な権限(repo スコープなど)が付与されているか確認
- 操作対象のリポジトリにアクセス権があるか確認
特定の MCP 関数が使えない
症状: ドキュメントに記載されている MCP 関数が Cursor で認識されない
解決策:
src/github/index.ts
ファイル内で、使用したい関数のコメントアウトを解除- Docker イメージを再ビルドして再起動
- Cursor を再起動して MCP サーバーを再読み込み
まとめ
GitHub MCP サーバーを使うことで、Cursor IDE から直接 GitHub Issues を操作できるようになります。コーディング作業の流れを中断することなく Issue 管理ができるため、開発効率が大幅に向上します。
このガイドで紹介した手順に従って、ぜひご自身のプロジェクトに MCP サーバーを導入してみてください。