
「あなたの集中、見えていますか?」— カメラだけで集中度をリアルタイム可視化するブラウザ
ショートピッチ (140文字)
SNS・AI・通知──情報の洪水の中で「集中する時間」を取り戻すために。フロントカメラのAI顔解析で、読書中の集中度をリアルタイムにスコア化するブラウザアプリ。
説明文
Gaze Browserとは
Gaze Browserは、「今、自分はどれくらい集中できているのか?」という問いに、カメラとAIでリアルタイムに答えるモバイルブラウザです。
スマートフォンのフロントカメラを通じて、顔の微細な動きをAIが常時解析し、0〜100の集中度スコアとして可視化します。ウェアラブルデバイスもセンサーも不要。いつものスマートフォンだけで、自分の集中パターンを客観的に知ることができます。
なぜ作ったのか
私たちの注意力は、かつてないほど奪い合われています。
SNSのフィードは無限にスクロールでき、動画は自動再生され、通知は途切れることなく届く。そこにAIの普及が加わり、情報の生成量そのものが爆発的に増えました。ChatGPTに質問しながらSlackに返信し、ブラウザのタブを20個開いたまま記事を読む──こうした並列タスクが当たり前の日常の中で、「ひとつのことに集中する時間」を確保することは、もはや意志力だけでは難しくなっています。
コンテンツもSNSも元々飽和していた。そこにAIが加わって、処理すべき情報量と同時に走るタスクの数が桁違いに増えた。これが、Gaze Browserを作った背景です。
一方で、開発者自身には「集中」に対する別の原体験がありました。子供の頃に空手を学び、京都の寺で禅の考え方に親しんできた経験です。呼吸を整え、雑念を手放し、ひとつのことに意識を集中させる──武道や禅が教えてくれた「集中の価値」は、情報が爆発的に増えた今の時代にこそ、より切実に求められているものだと感じています。
ただし、集中力は「鍛えられる」と言われても、そもそも今の自分がどれだけ集中できているのか、客観的に知る手段はほとんどありません。脳波計やアイトラッカーは高価で日常使いには向かない。ストップウォッチで時間を計っても、集中の質までは分からない。
Gaze Browserは、誰もが持っているスマートフォンのカメラだけで、「集中の見える化」を実現します。集中できていない瞬間に気づき、自分のパターンを知り、少しずつ集中の質を高めていく。情報過多の時代に、自分の注意力を取り戻すためのツールです。
認知科学と行動分析学のアプローチ
開発者はもともと心理学を専攻しており、Gaze Browserのスコアリングには認知科学と行動分析学の知見が取り入れられています。
集中度の測定は、単にカメラの前に顔があるかどうかを見るだけではありません。人間の注意が逸れるとき、視線が画面の外に動き、頭部の姿勢が変わり、やがて顔そのものがカメラの視野から外れる──この一連の行動パターンを、AIが検出した顔の特徴点から読み取り、スコアに反映しています。
また、初回起動時のキャリブレーションで個人の「集中時の姿勢」を学習することで、画一的な基準ではなく、その人にとっての「集中している状態」を基準にスコアリングを行います。人の顔の形、目の大きさ、読書時の姿勢は一人ひとり異なるからです。
セッション終了後の褒めメッセージやトロフィーといったゲーミフィケーション要素も、行動分析学における正の強化の原理に基づいています。集中できた行動そのものに即座にフィードバックを返すことで、集中する習慣の形成を促します。
技術的なアプローチ
Gaze Browserの心臓部は、GoogleのMediaPipe FaceLandmarkerです。もともと研究や大規模プロジェクト向けに開発されたこの顔解析AIモデルを、バッテリー駆動のモバイルデバイス上でリアルタイムに動作させることが最大の技術的挑戦でした。
MediaPipe FaceLandmarkerは、カメラに映る顔から数百もの特徴点をリアルタイムで検出する機械学習モデルです。Gaze Browserでは、この膨大な特徴点の中から集中度の判定に本当に必要なものだけを選別し、認知科学の知見に基づいた独自のスコアリングアルゴリズムで集中度スコアに変換しています。
高性能なAIモデルをスマートフォン上で動かすと、あっという間にバッテリーが消耗します。Gaze Browserでは、AI推論の頻度を精度とバッテリー消費のバランスが取れるレベルに最適化しました。カメラは常時動作していますが、AIによる解析は必要十分な頻度に抑えることで、長時間の使用にも耐えるよう設計しています。
AIモデルはネイティブコード(iOSではSwift、AndroidではKotlin)で実行し、UIフレームワーク(Flutter)とはプラットフォームチャネルで疎結合に接続。AI処理がUIをブロックすることなく、ブラウザとしてのスムーズな操作感を維持しています。
主な機能
- リアルタイム集中度スコア — ブラウジング中に0〜100のスコアをリアルタイム表示
- セッション記録 — いつ、どのサイトで、どれくらい集中できたかを記録
- スコアタイムライン — セッション中の集中度の推移をグラフで確認
- 個人キャリブレーション — あなた固有の集中姿勢を学習してスコアを最適化
- ゲーミフィケーション — 目標達成でトロフィー、セッション後に褒めメッセージ
- 完全オフライン動作 — カメラ映像は端末内で処理して即破棄、外部送信なし
- 日本語・英語対応
開発について ── ソロ開発 × Claude × MediaPipe
Gaze Browserは、ソロ開発者がAnthropicのClaude(Claude Code)を開発パートナーとして活用し、設計から実装・リリースまでを行ったプロジェクトです。
アーキテクチャ設計、スコアリングアルゴリズムの構築、Flutter/Swift/KotlinのクロスプラットフォームUI実装、MediaPipeのネイティブ統合──開発のあらゆるフェーズでClaudeと対話しながら意思決定と実装を進めました。
特にClaudeが大きな力を発揮したのが、ストアリリースの効率化です。App StoreとGoogle Playに掲載するスクリーンショットは、Claudeと共にFlutterのintegration_testを活用したマーケティング素材自動生成モジュールを構築し、6種類のスライドを複数デバイスサイズ・複数言語で自動撮影できるようにしました。生成したスクリーンショットはFastlaneで自動アップロード。この自動化パイプラインによって、ストア素材の準備にかかる時間を大幅に削減し、その分を実機を使った集中度測定の精度テスト──実際に端末を手に持ち、集中したり意図的に注意を逸らしたりしながらスコアの妥当性を検証する作業──に充てることができました。
一人の開発者とAIの協業によって、通常であればチームで取り組むような規模のプロダクト──ネイティブAI処理、クロスプラットフォーム対応、ゲーミフィケーション、多言語対応、自動デプロイまでを含む──を形にすることができました。
