非エンジニアの友人がAI駆動開発で飲食店向けサービスを完成させるまで

要約
非エンジニアがAI駆動開発でtoBシステムを開発し、実店舗の導入にまで話を進めた。その過程とエンジニアである筆者がどうサポートしたかを紹介
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非エンジニアの友人がAI駆動開発で飲食店向けサービスを完成させるまで

はじめに

以前、こんな投稿をした。

https://twitter.com/akihiro_genai/status/1942926912088936652

今回はその裏話として、実際にどのような協業プロセスで進めたのか、詳細を語ろうと思う。

非エンジニアの友人がアイデアを持ちかけてきて、自分自身がサポートする形で進めた結果、生成AIツールを活用してシステムが完成。その後、1店舗目の試験導入に話が進んだ。友人が開発者として成長していく過程は、実に興味深いものだった。友人の成長を支えることができたのは、自分自身にとっても大きな喜びだった。

この経験から得られた洞察は、生成AIが非エンジニアにとって強力なイネーブラーとなり、適切な協業体制が成功の鍵となるということだ。自分自身のサポートがどのように機能したのか、以下で詳しく見ていこう。あなたもこんな経験をしてみたくはないだろうか。

経緯と協業のスタート

ある日、非エンジニアの友人から相談を受けた。「飲食店向けのtoBシステムを作りたいが、どう進めればいいだろうか」と。熱く語る友人の姿に、自分自身もワクワクした。

友人の熱意は印象的だった。「飲食店の現場が抱える課題を解決したい」という強い想いがあった。アイデアはあるが実装方法が分からないという状況で、自分自身の経験が活かせると感じた。ここで自分自身の役割が重要になってくる。

自分自身の役割は明確だった。友人のアイデアをヒアリングし、要件定義、技術選定、詳細設計をドキュメント化することから始めた。要件定義では「必須機能なのか、追加機能なのか」を丁寧に切り分け、曖昧さを徹底的に排除した。技術選定では、非エンジニアでも理解しやすいシンプルなスタックを意識的に選択した。この基盤作りが、後の成功につながったと自負している。

興味深いことに、最初は友人がChatGPTで質問とコピペを繰り返していた。しかし、これは極めて非効率だった。友人は「コンテキストが散逸して、進捗が停滞している」と悩んでいた。

そこでCursorへの移行を提案した。「ドキュメント全体を配置して、逐次的に実装指示を出す」という方法論を伝えたところ、AI駆動開発のスピードが劇的に改善された。適切なツール選定による効率化、これも自分自身が提供できた価値の一つだ。

開発プロセスと協業の詳細

友人はCursorを使って実装を進めた。最初はAutoモードを使っていたが、俺のアドバイスで後々Claude Sonnet 4を活用するようになった。自分自身が作成したドキュメントを読み込ませながら逐次実装していく方式を採用した。

Cursorの最大の利点は、AIが文脈を保持し続けることだ。Claude Sonnet 4は理解力と実装力のバランスが優れており、非エンジニアでも扱いやすい。友人も「生産性が飛躍的に向上した」と驚いていた。

自分自身の役割はPRチェックでの問題指摘だった。開発は以下のループで進行した:友人が実装 → PRを提出 → 自分自身がチェック → フィードバック → 修正。このサイクルを反復的に実施した。自分自身のチェックがあることで、品質が段階的に向上していくのが観察できた。

初回のPRには多くの問題があったが、2回目で大幅に改善された。3-4回のイテレーションで、実用的なレベルに到達した。このプロセスで自分自身が果たした役割は、単なるチェックではなく、友人の成長を支える重要な要素だった。

エラー対応のアプローチも特徴的だった。自分自身は直接的な解答を提供せず、「その問題ならOpenAI o3の推論能力を活用してみてはどうか」といったモデル選択の提案に留めた。これにより友人の自立的な問題解決能力を育むことができた。自立を促すサポート、これが真の協業だと考えている。

役割分担の明確化

友人の役割:

  • アイデアの持ち込みと要件の明確化
  • 実装の主担当(Cursor/Claude Sonnet 4を活用)
  • PRを通じた進捗共有(段階的に自信を構築)
  • AIを活用した自立的なエラー解決
  • 試験導入先の開拓と交渉

自分自身の役割:

  • 技術ドキュメントの作成と構造化
  • 開発効率化のための助言(ツール選定・使用方法)
  • PRレビューによる品質保証
  • エラー解決のためのAIモデル選択提案

これらの役割分担により、友人の成長を効果的に支援できた。

共通:

  • イテレーティブな協業体制の構築
  • AIを効果的な仲介ツールとして活用
  • 短期間での実装完了を目標設定
  • 相互の成長過程の観察と支援

ワークフロー

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ワークフロー図

試験導入までの成果と課題

飲食店向けtoBシステムが完成し、さらに1店舗目の試験導入(無料期間での運用テスト)の話が進んだ。

試験導入が決定した際、自分自身も達成感を覚えた。友人の喜びは格別だった。協業により迅速にプロトタイプを構築し、実際の導入に至ったことは、大きな成果と言えるだろう。自分自身のサポートが実を結んだ瞬間でもあった。

課題も存在した。初期の非効率な開発手法やエラー対応の困難さなどだ。しかし、適切なAIツールへの移行と、自分自身の最小限かつ効果的なサポートによってこれらを克服した。重要なのは協業のバランスだ。過度な介入を避けつつ、必要な支援を提供することが肝要だと実感した。

学びとTips

この経験から得られた洞察は、生成AIが非エンジニアの参入障壁を劇的に低下させ、適切な協業体制により開発が加速するということだ。友人の成功事例は、まさに「時代が変わってる」ことの証だ。自分自身の役割の意義も再認識できた。非エンジニアをエンパワーすることの喜びは、何物にも代えがたい。

非エンジニアサポートのための実践的Tips

  • アイデアを体系的にドキュメント化: ヒアリングを通じて要件と設計を明確化し、曖昧性を排除する
  • 適切なツール選定でAI協業を効率化: ChatGPTからCursorへの移行のように、コンテキスト保持による効率化を実現
  • 継続的なPRレビュープロセス: 定期的な進捗共有により品質向上を図り、成長を促進
  • 自立的な問題解決の促進: 直接的な解答ではなく、適切なAIモデル(Claude Sonnet 4、OpenAI o3等)の提案に留める
  • AIを単純な自動化ではなく協業ツールとして位置づけ: 思考を支援するツールとして活用
  • AIに最適化されたドキュメント構造: 簡潔で構造化された文書により実装効率を向上
  • 段階的な成功体験の共有: 小さな達成を積み重ねることでモチベーションを維持
  • タスクに応じたAIモデルの使い分け: 各モデルの特性を理解し、状況に応じて最適な選択を行う

結論

この協業を通じて、友人は飲食店システムの試験導入の話にまで進むことができた。生成AIの可能性と、それを活用した新たな協業モデルの有効性が実証された。

非エンジニアの方々も、アイデアがあれば実現は可能だ。適切なサポート体制と生成AIの活用により、技術的な障壁は大幅に低下している。あなたも挑戦してみてはどうだろうか。

今回の経験は、生成AIが単なるツールではなく、人々の創造性を解放するイネーブラーとして機能することを示している。興味がある方は、X(@akihiro_genai)で相談を受け付けている。

技術の民主化が進む今、我々は新たな協業の形を模索し続ける必要があるだろう。

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