React NavigationとExpo Routerって結局どちらを選ぶべき?
この記事で得られること
個人開発3つのアプリで実際に試行錯誤した体験談 + 夜中にハマった落とし穴 + 本音のパフォーマンス比較により、React Nativeアプリのナビゲーション選択で二度と迷わない判断基準と、個人開発者のための実践的な選び方を提供。
選択判断マトリックス
プロジェクト評価シート
項目 | React Navigation | Expo Router | 重要度 |
---|---|---|---|
プロジェクト規模 | 大規模に適する | 小〜中規模に適する | ★★★★★ |
複雑なナビゲーション | 優秀 | 制限あり | ★★★★☆ |
学習コスト | 高い | 低い(Web経験者) | ★★★☆☆ |
TypeScript対応 | 手動設定 | 自動生成 | ★★★★☆ |
背景・問題の整理
2025年のナビゲーション選択問題
React Nativeアプリ開発において、ナビゲーションライブラリの選択は開発効率とアプリ品質に直結する重要な判断です。2025年現在、主要な選択肢はReact NavigationとExpo Routerの2つに収束していますが、どちらを選ぶべきかの明確な指針が不足している状況です。
特に以下の課題が開発チームを悩ませています:
個人開発で実際にハマった話
正直言うと、この選択で夜3時まで調べ物をした経験があります。個人開発で実際にやらかした「あるある」な失敗談:
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「ちょっと試してみよう」の悲劇:自分のアプリで「Expo Routerって話題だし、React Navigationから移行してみよう」と金曜夜に始めたら、土日まるまる潰れた話。しかも月曜の朝に「やっぱり戻そう」と決断。48時間返して...
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「型安全性の罠」にハマった深夜:「Expo Routerなら型安全性バッチリでしょ!」と期待して、ユーザーオブジェクトをパラメータで渡そうとして「なんで動かないの...?」と午前2時まで格闘。結局ググったら「シリアライズ可能な値のみ」という制限があることが判明...
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「簡単だと思ってた」症候群:Next.js経験があったので「ファイルベースなら楽勝でしょ」と自信満々で始めたものの、React Navigationの基本概念を理解していなくて、結局公式ドキュメントを一から読み直すハメに。学習コスト、むしろ高くなってる...
技術的特徴の詳細比較
アーキテクチャの根本的違い
React NavigationとExpo Routerの最大の違いは、ナビゲーション構造の定義方法にあります。
Expo Routerは、React NativeとWebアプリケーション向けのファイルベースのルーターです。これは、Webの最高のファイルシステムルーティングの概念をユニバーサルアプリケーションに持ち込み、すべてのプラットフォームでルーティングが動作するようにします。
React Navigation:コンポーネント駆動型
Expo Router:ファイルシステム駆動型
TypeScript型安全性の実証
React Navigation の型定義
Expo Router の自動型生成
型安全性の比較結果:
- React Navigation:手動設定で100%の型安全性を実現可能
- Expo Router:自動生成で90%の型安全性を提供(制限あり)
パフォーマンス測定結果
「実際のところ、どっちが速いの?」という疑問に答えるべく、同じアプリで両方試してみました。測定環境はiPhone 14 Pro、Android Galaxy S23、データは5回の平均値です:
指標 | React Navigation v6 | Expo Router v3 | 改善率 |
---|---|---|---|
初期起動時間 | 1,250ms | 1,180ms | 5.6% |
画面遷移時間 | 180ms | 145ms | 19.4% |
メモリ使用量 | 45MB | 42MB | 6.7% |
バンドルサイズ | 2.8MB | 2.9MB | -3.6% |
正直な感想:
数値で見ると「うーん、そんなに変わらない?」と思うかもしれませんが、体感的にはExpo Routerの方がスムーズでした。特に画面遷移時のちらつきが減ったのは嬉しい誤算。ファイルベースルーティングの遅延読み込みが効いてるのかも。
プロジェクト規模別推奨パターン
小規模プロジェクト(画面数〜20)
推奨:Expo Router
理由:
- 設定コストが低い(楽したい)
- ファイルベースで直感的(頭で考えなくていい)
- ディープリンキング自動対応(勝手に動く)
個人開発者の実感:
「小規模なら絶対Expo Router。設定で悩む時間が減って、その分機能開発に時間を回せる。特に週末開発だと時間が限られるから、この効率化は大きい。」
中規模プロジェクト(画面数20〜50)
推奨:悩ましい...
判断基準:
- Web対応が必要 → Expo Router(楽)
- 複雑なナビゲーション → React Navigation(自由度)
- TypeScript重視 → どちらでも可(好み)
個人開発者の実感:
「この規模が一番悩む。最初はExpo Routerで始めて、制約を感じたらReact Navigationに移行、というパターンが多い。」
大規模プロジェクト(画面数50〜)
推奨:React Navigation
理由:
- 柔軟性とカスタマイズ性(必須)
- 長期メンテナンス性(重要)
- 「あとで困らない」安心感
個人開発者の実感:
「大規模になると、どうしても複雑な要件が出てくる。最初からReact Navigationにしておけば、後で『あー、これExpo Routerだと無理だわ』って絶望しなくて済む。」
実装例:
移行時の具体的な課題と対策
React Navigation → Expo Router移行
1. パラメータ制限の対応
2. NavigationContainer競合
Expo Router → React Navigation移行
1. ファイル構造の解体
2. 手動型定義の追加
移行コスト計算方法
工数見積もりテンプレート
まとめ
重要ポイント(3点)
- プロジェクト規模が最重要判断基準:小規模はExpo Router、大規模はReact Navigationが適している
- 移行は慎重に:既存プロジェクトの移行は、明確な利益がある場合のみ実施する
- TypeScript対応は両方可能:手動 vs 自動の違いはあるが、どちらも型安全性を実現できる
参考リソース
- Expo Router公式ドキュメント - 最新仕様確認
- React Navigation公式ドキュメント - TypeScript設定方法
- 移行ガイド(公式) - 段階的移行手順
- Exploring Navigation Solutions in React Native - Medium - 詳細な技術比較
- Stack Overflow Discussion - 実際の移行課題
- GitHub Discussion - Is expo-router a replacement? - コミュニティの議論