OnVaultを作った理由|クラウドに送れない書類をiPhoneだけでOCR・検索するためのオフラインOCRアプリ
書類を検索したい。でも、クラウドには上げたくない。
OnVaultは、その矛盾をiPhone上だけで解決するために作ったオフラインOCRアプリです。
要約
OnVaultは、請求書・領収書・契約書・名刺・申込書・本人確認書類などを、クラウドに送らずiPhone内だけでOCR・全文検索できるオフライン書類整理アプリです。
OCR、検索、見直し、保管までを端末上で完結できるため、クラウド利用が難しい環境でも書類を扱いやすい導線を目指して設計しました。
- OCRと全文検索が端末内完結
- ファイル名ではなく書類の中身で探せる
- Face ID / App Lock / 再認証に対応
- 必要なときだけFilesへ書き出し
- 監査ログ・削除履歴・監査レポート出力に対応
なぜOnVaultを作ったのか
BookLeafで5か月かけて作ったOCR資産を、別の現実課題に活かしたかった
私は以前、BookLeafという紙の本に特化した読書管理アプリを作りました。
OCRまわりを含め、リリースまでに5か月かかりました。その間に複数のOCRモデルを使用し比較することで性能の違いやそれぞれのモデルの限界について技術的な知見を得ました。
この開発で得たのは、単なる機能ではありません。
「画像から文字を取り出す」「あとで探せる形にする」「人が実際に使える見直し導線を作る」という、OCRアプリの土台そのものです。
その一方で、BookLeafはかなり自分の興味に寄ったプロダクトでした。
作る価値はあったものの、市場としては超ニッチで、事業として大きく伸ばすには限界がありました。
これまでの自分事開発だけでは、グロースしにくかった
これまでの開発は、かなり“完全に自分事ベース”でした。
それ自体は悪くありません。むしろ初速は出しやすいです。
ただ、自分のこだわりが強すぎると、市場の広さよりも自分の納得を優先してしまうことがあります。
実際、私はそれで成果を出せない時期がありました。
刺さる人には刺さるが、母数が小さすぎる。
その結果、プロダクトは作れても、事業として伸びない。ここに課題がありました。
海外為替計算アプリのNomadCalcで「自分だからこそ」作る重要性を学んだ
前作のNomadCalcでは、少し考え方を変えました。
「ただ自分が作りたいもの」ではなく、自分の経験や強みがあるからこそ作れるものに寄せたところ、初めて売上が立ちました。
この違いは大きかったです。
- ただの自己満足ではない
- しかし、他人の模倣でもない
- 自分の過去の開発資産や問題意識が、そのまま優位性になる
OnVaultも同じ発想で作っています。
OnVaultは「BookLeafを作った自分だからこそ」作れると考えた
OnVaultは、士業の方や、機微な書類を扱う個人事業主・小規模事業者を意識して作りました。
理由は単純で、OCRの実装経験があり、かつ“クラウドに送れない書類を扱う不便さ”に現実味を持てたからです。
OCRアプリを一度作ったことがあるからこそ、私は次のことを理解していました。
端末内OCRは「便利そう」だけでは成立しない
単にOCRできるだけでは意味がありません。実際に必要なのは、次の一連の流れです。
- 書類を撮る
- 歪みや向きを補正する
- OCRする
- あとから検索できる
- 必要なときだけ外へ出す
- 残す・削除するの扱いを決められる
OnVaultは、この一連の導線をまとめて設計しています。
OnVaultでできること
書類をiPhoneで取り込み、端末内でOCRする
請求書、領収書、契約書、名刺、申込書、本人確認書類などをiPhoneで取り込み、端末内でOCRできます。
クラウドにアップロードせずに処理を完結したい人向けです。
全文検索で、ファイル名ではなく中身から探せる
書類管理が面倒になる最大の理由は、保存した瞬間から探せなくなることです。
OnVaultでは、ファイル名だけでなくOCRテキストを対象に検索できるため、あとから必要な1枚を見つけやすくなります。
書類の扱いを運用に合わせて調整できる
Face ID、App Lock、再認証設定、原本画像の保持ルール、削除履歴、監査ログなど、
「ただ保存する」ではなく「どう扱うか」まで含めて調整できるのがOnVaultの特徴です。
必要なときだけFilesへ書き出せる
書類を常に外へ出す前提ではなく、必要なときだけFilesへ保存できます。
既存の業務フローに無理なく組み込みやすい設計です。
想定している利用シーン
士業・個人事業主の書類整理
- 本人確認書類の保管補助
- 請求書・領収書・契約書の整理
- 顧客提出書類の下書き確認
- 名刺や申込書の検索
クラウド利用が難しい環境での運用
- 機微な書類を扱う業務
- 外部サービスへのアップロードを避けたいケース
- まずは端末内で見直し・整理したいケース
OnVaultの特徴を他の選択肢と比較すると
| 項目 | OnVault | 一般的なクラウド型OCR | 写真アプリ保存 |
|---|---|---|---|
| OCR処理 | 端末内で完結 | クラウド処理が中心 | 基本なし |
| 全文検索 | あり | あり | なし |
| 機微書類との相性 | 比較的高い | 運用次第 | 低い |
| Files書き出し | 必要時のみ可能 | サービス依存 | 手動 |
| Face ID / 再認証 | あり | サービス依存 | 限定的 |
| 削除履歴・監査導線 | あり | サービス依存 | ほぼなし |
※ 各サービスの実装差はありますが、OnVaultは「端末内完結」と「書類運用導線」を重視して設計しています。
どんな人に向いているか
向いている人
- 書類をあとから検索したい人
- OCRは使いたいがクラウド送信は避けたい人
- 機微な書類を扱う個人事業主・小規模事業者
- 書類の保存後ルールまで管理したい人
向いていない人
- チームでの共同編集が前提の人
- Web管理画面や共有機能を重視する人
- クラウド同期が必須の人
OnVaultは、あえてオフライン前提で設計しています。
ここは長所である一方、用途によっては明確な制約でもあります。
開発者コメント
私はこれまで、かなりニッチな領域のアプリを自分事ベースで作ってきました。
その中で学んだのは、「自分が作りたい」だけでは足りないが、「自分だからこそ作れる」には価値があるということです。
BookLeafでOCRアプリを作った経験。
NomadCalcで初売上を作れた経験。
その2つを踏まえて、OnVaultは技術資産と現実課題が噛み合う場所として作りました。
派手なアプリではありません。
ですが、クラウドに送れない書類を扱う人にとっては、こういう地味な導線のほうが実務では効くと考えています。
料金
料金の詳細はApp Storeページをご確認ください。
無料で試したうえで、必要に応じて継続利用を検討できます。
関連リンク
- 公式サイト:
- Privacy Policy:
- Terms of Use:
FAQ
Q1. OnVaultはクラウドに書類を送信しますか?
いいえ。OnVaultは、OCRと検索を端末内で完結する前提で設計しています。
クラウド送信を前提にした書類整理が難しい人向けのアプリです。
Q2. どんな書類を扱えますか?
請求書、領収書、契約書、名刺、申込書、本人確認書類などを想定しています。
「あとから検索したい紙書類」を幅広く扱う用途に向いています。
Q3. どんな人におすすめですか?
士業、個人事業主、小規模事業者、または個人利用でも「書類をクラウドに上げたくない」人に向いています。
Q4. チーム共有やクラウド同期はできますか?
OnVaultはオフライン前提のため、チーム共同編集やクラウド同期を主目的とするアプリではありません。
共有よりも、端末内での整理・検索・扱いやすさを優先しています。
Q5. なぜこのアプリを作ったのですか?
BookLeafでOCRアプリを作った経験があり、その技術資産を別用途に活かせると考えたからです。
さらに、NomadCalcで「自分だからこそ作れるもの」が初売上につながった経験から、OnVaultもその考え方で設計しました。