
Augment Code ってどうなの?
この記事は、 Cursor や Windsurf と同じカテゴリのAIコーディングアシスタント Augment Code を3ヶ月ほど使用してみての感想です。あくまで個人的な用途の範囲なのでご了承ください。日本語での情報がほとんどない(英語でもあまりない)ので、せっかくですから1ユーザーとして軽く書いてみることにします。
なぜAugment Codeなのか?
Augment Code をご存知でしょうか? "Argument" ではなく "Augment" です。名前の通り、コーディングに特化したAIアシスタントです。 ISO/IEC 42001 の 認証を取得したり、 SWEベンチマーク(Verified, Open Source System)で高い成績を残したりと、頑張ってるわりにはろくに使用報告を見かけないサービスです。
私にとってAugment Codeの最大の特徴は2つ。ファイル数が10万を超える巨大なコードベースを扱えることと、各種エディタのプラグインであることです。独自のエディタを持たず、VSCodeはもちろん、JetBrainsのIDEやVimまでサポートしています。最新の機能はVSCodeのみのサポートになるので、結局はVSCodeが最善ではあります。
他にも Cursor, Windsurf, GitHub Copilot, Claude Code, Gemini などの驚くべきサービスがいくらでもあるのに、なぜわざわざマイナーもマイナーなAugment Codeを選んだかというと、私は 全体像の把握が大の苦手だから です。これに尽きます。私は自分だけのプロジェクトですら途中から記憶が怪しくなってきます。
といっても私はそこまでの規模のプロジェクトを扱いませんし、Augment Codeの機能の半分も使っていません。それならWindsurfでも十分そうです。安いし。ただ、Windsurfは(トライアル期間程度ですが)試してみて、生成されるコードの精度、使用可能なモデル、独自のエディタなどの要素に不安がありました。Anthropicの胸先三寸でClaudeが締め出されますし、CEOはどっか行っちゃったし...。個人的には Claude Code がベストなんですが、 $100, $200 を毎月継続するのはちょっと難しい。
試してみる
VSCodeでの例を紹介します。興味のある方は、無料のコミュニティプランかDeveloperプランのトライアルで試してみてください。
Augment CodeはVSCodeの拡張機能で提供されています。 "Augment" で検索してインストールします。インストール後はセカンダリバーに Augment パネルが表示されるようになります。
今回は Swiftコンパイラ を読み込ませてみました。Swiftコンパイラはファイル数が28,000を超えるプロジェクトです。そのうちSwiftのファイルが20,000、C++のファイルが3,800あります。クローンしたディレクトリをVSCodeで開くと、コードベースのインデックスを作成するボタンが表示されるので、クリックして開始します。

私の環境では7分程度でインデックス作成が完了しました。次に、プロジェクトの概要を把握するためにワークスペースの構造を調べられます。完了報告はありませんでしたが、パネル右下のメッセージ送信ボタンが赤いストップアイコンでなければ完了です。
以下の画像は、その後にプロジェクトの構成を聞いた応答です。回答に時間はかかりません。


あとはプロジェクトについていろいろと聞いてみてください。残りのメッセージ数はAugment Codeのサイトにサインインすると確認できます。
ちなみに、画像のカラーテーマは拙作 Showa Retro です。よかったらこちらも試してみてください。
モデル
Augment Codeはモデルの選択肢を用意しておらず、ユーザーはAugment Code用にカスタマイズされた専用モデルを使うことになります(最新のモデルはClaude Sonnet 4が取り込まれています)。ただし内部では複数のモデルが存在し、コンテキストに応じて適切なモデルを選択します。 モデルピッカーは悪い体験をもたらす と考えているようです。不満がある人も多そうですが、いちいちモデル選択に煩わされないのも気楽です。
最大の弱点は、モデルが気に入らなかったらどうしようもないことですね。
ルール(ガイドライン)
Cursorに近い方法でルールを定義できます。ワークスペース全体やユーザーが明示的にエージェント(またはチャット)に適用するルールをガイドラインと呼びます。ルールはVSCodeのみのサポートです。JetBrains IDEではガイドラインのみサポートされています。そのうちサポートされると思います。
ユーザーガイドラインの最大文字数は24,576で、ワークスペースとルールは合計で49,512まで有効です。制限を超えると「手動で指定するルール -> 自動的に適用されるルール -> ワークスペースガイドライン」の順に優先されます。
ルールの実装と最大文字数制限の拡張はつい最近(先月かな?)アップデートされました。それ以前はワークスペースガイドラインのみ、最大文字数2000だったので大幅な進歩です。さすがに2000は少なかった。
その他の特徴
エージェント機能やMCPのサポートなど、他のメジャーなサービスとだいたい同じです。詳しくは Product を参照してください。他のサービスに慣れているなら見ればわかります。慣れていないなら最初にCursorやClaude Codeを試したほうがいいです。Augment Codeはコーディングに特化しており、他の用途には向いていません。
通常の応答もエージェント機能も実行可能時間が長くないので、 Claude Codeのような使い方はできません。
プランと価格
肝心の価格ですが、ぶっちゃけ高いです。 プランは無償の Community, 以降は有償の Developer, Pro, Max, Enterprise があります。このうち個人や100人以下のチーム向けのプランは Developer です。14日間のトライアルつき。 Developer のメッセージ数は600あり、他のサービスに比べて多いのですが、なんと月額 $50 です。 CursorとWindsurfを両方契約できる価格です。今なら奮発すればClaude Codeも視野に入ります。仕方ないのでしょうけど、ちょっと強気過ぎますね。
プランの見直しとDeveloperプランの値上げは5月上旬に実施されました。4月頭に $30 -> $50となる値上げの告知があり、一時的にメッセージ無制限キャンペーンがあったのでなんとなくご存知の方もいるかもしれません。実は値上げ実施時点でDeveloperプランを継続していた人は、値上げ後も引き続き$30で契約できます。私もそうです。
まとめ
Cursorの代わりにはならないでしょう。方向性が違います。Windsurfを好む人ならあるいは...って感じです。 公式で乗り換えを煽ってます(Windsurfのレシートのアップロードで追加メッセージ数をもらえるらしい)。 でも100メッセージ数多いとは言え、エンタープライズプラン並の月額になります。
正直言って、Augment Codeは大半の人にとって$50の価値はないかなあ...と思います。私はClaude Codeを継続するのは厳しいので、もうしばらくはAugment Codeで過ごしそうです。わりと気に入っている。